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寄贈品№57

開拓画報 ①1940年7月号 ②1942年9月号

①1940(昭和15)年7月1日、29.5×21.7、40頁

②1942(昭和17)年8月25日、29.5×21.7、34頁

大陸建設社(本社・新京) 発行 

満蒙開拓の様子を広く紹介するため編集・発行された写真雑誌。

のち満鉄発行の『満洲グラフ』と統合して『満洲』となる。


 ここで紹介する開拓画報①は、1937(昭和12)年送出の第6次静岡村や熊本村開拓団、南山義勇隊訓練所を特集として取り上げています。生活風景や農作業の様子などを、多くの写真を使って見せることで、満州への想像をかき立てます。記者による現地レポートのほか、「開拓文芸」として日本・満州両方の読者から小説・俳句・短歌・詩などの作品も募集しました。この号に掲載された文芸入選小説「大地に育むもの」は、第1次寧年義勇隊開拓団で渡満していた、長野県更級郡村上村(現坂城町)出身の宮下忠信さんの作品でした。

 作品であれ写真であれ、同じ郷土出身の人たちが、何らかの形でこうした雑誌に登場してくることも、満蒙開拓をより身近に感じさせるきっかけとなったのではないでしょうか。

                     静岡村開拓団

                   小説『大地に育むもの』


 開拓画報②は、アジア・太平洋戦争の戦域拡大という世相を反映してか、満州で短期間農作業に従事する勤労奉仕隊や、開拓の花嫁を養成する女子開拓訓練所などを取り上げた記事が目立ちます。食糧増産や女性の動員が、満州でも重要になりつつあったことがうかがえます。

                    勤労奉仕隊(報国農場)              

                    女子開拓訓練所

 当館にはこのほか1939(昭和14)年、1940(昭和15)年4月号のコピーが寄贈されています。