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寄贈品 №49

八ヶ岳修練農場・満洲国農事合作社 基幹職員記念写真

発行 1939(昭和14)年6月7月 作者不明 閉じた状態15×22、見開き15×39.5、15頁 

満州国農事合作社*の職員が、八ケ岳修練農場で研修をした時の記念写真帳

 1934(昭和9)年長野県北佐久郡川辺村(現小諸市)に御牧ケ原修練農場がつくられました。実習生は、1年間の農業実習を通して、農業経営の方法や農民精神を磨きあげ、農村地域のリーダーとなることが目指されました。

 この農場の分場として、1938(昭和13)年八ケ岳修練農場が設置されます。初代場長は「農政の神様」とも呼ばれた農林官僚の石黒忠篤でした。ここでは農村の中核的指導者を育てたほか、満州農業移民の訓練や渡満前の幹部・教職員の講習会/実習なども行われました。1938年から1945年までの間、この農場で学んだ研究生及び本科生は426人となっています(『長野県満州開拓史』(1984)より)。

 ここで紹介する写真帳は、満州国農事合作社の職員研修記念につくられたものと思われます。農場の宿舎や事務所・日輪舎のほか、農場での朝の礼拝や作業風景などが収められています。そして、壮大な山々を背景に職員たちが各班ごと撮った写真が並んでいます。

 

畑での作業風景


          日輪舎

       職員・第二班



*満州国農事合作社:1937(昭和12)年農業開発促進と農民の福利増進、生産物の配給を円滑に行うため、満州に設立された。農民が直接農産物の販売や購入・保管をすることで、地主や富農による搾取を避けることを主とした。1941(昭和16)年に農業金融を担った金融合作社(1933年設立)と統合し、興農合作社となった。