· 

寄贈品 №34

慰問綴方集

1938(昭和13)年2月 伍和小学校・伍和青年学校(長野県下伊那郡伍和村)制作

22.3×15.2、35頁

 

伍和小学校児童と青年学校生徒が、地元から出征した兵士のために現地へ書き送った作文集

 

 

長野県下伊那郡伍和村(現阿智村)の伍和小学校と青年学校では、日中戦争で出征した兵士たちを元気づけ、奮闘してもらうため、児童生徒の作文をまとめて現地へ送りました。

 

1年生はカタカナやカタカナ・ひらがな混じりの文章で、遠足やお正月のことなどを書いています。

2年生以上になると、漢字を使った文章も見られるようになります。

近況報告のほか、戦地のお父さん・お兄さん・叔父(伯父)さんへの気遣い、自分も軍人として皇国のために働きたいという決意などを述べる内容も増えてきます。

なかには「ヘイタイサンゲンキヨクヤッテクダサイ。シナノクニヲ小サクシテクダサイ。ニホンノクニヲデカクシテクダサイ。」と言っている子や「支那の兵隊は弱いくせに・・(中略)・・早く悪い兵隊もこうさんすればいいと思ふのに、なまいきでなりません。」という子もおり、中国人に対するあからさまな差別表現も少なくありません。

 

当時日本が中国をどのように見ていたのか、中国と戦争をする口実を教育の現場ではどのように伝えていたのか。子どもたちの率直な表現から見てとれます。

 

 *「支那」など差別的な表現は資料の記述通りに掲載しています。

 それにより、これらを美化したり正当化するものではありません。