早出伸哉さんによる特別講演会「19の証言 ~語り継ぐ富士見分村」を6月17日に開催しました。
早出さんは諏訪湖周辺市町村をエリアとするケーブルテレビ局に勤務。
戦後70年、2015年に元富士見村開拓団の人々を訪ね歩き、その証言をもとにドキュメンタリー番組を制作しました。しかし、インタビューの多くはカットしてしまったことや、番組に採用した部分は本当にご本人が伝えたいことだったのか、など心残りだったそうです。
その後、次世代へ伝えるためにと、書籍化することを決意。当館も監修という立場で協力させていただきました。
講演では、証言を受けとめる早出さんの誠実さや、自分の判断で活字化してよいのかと葛藤する謙虚さなどが話しぶりからも伝わってきました。
一つの開拓団について、記録や資料と複数の証言で一冊にまとめてあるものは多くありません。将来、地元の子どもたちがこの本を参考に平和学習をしてくれることが、早出さんの夢なのだそうです。