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寄贈品 №33

康徳元年6月9日晩餐会メニューカード

1934(昭和9)年 サイズ 15.2×10.8、7頁

駐日満洲帝国公使館

1934年6月9日の晩餐会メニューカード

 

 

満州国が建国され、執政溥儀が皇帝に即位したのは1934年の3月のことでした。

在日満州公使館で開かれた晩餐会の献立表でしょうか。厚く上質な紙を使い、周りは金色で縁取られ、洗練された雰囲気が漂ってきます。表紙には満州国旗と青と白のストライプ柄の国旗が浮き彫りで描かれています。これは、当時日本以外で最初に満州国を承認したというエルサルバドルの国旗です。おそらくは、その公使を招いての食事会が開かれたのでしょう。

冷葷=冷菜には火腿(ハム)、滷蝦・滷鴨(エビや鴨を塩とスパイスのスープで煮込んだもの)など4品、大件=メイン料理には紅焼甲魚(すっぽんのしょうゆ煮込み)など6品が続きます。

 

このカードを寄贈してくださった方の祖父は、東京の印刷会社で働いており、陸軍や帝国ホテルから注文を受けていたといいます。

実際に満州には行っていなくても、さまざまな形で満州に関わった人たちがいて、そのときの社会が動いていたことが感じられる、興味深い資料です。