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寄贈品 №29

出産現認書

1946(昭和21)年5月24日 サイズ 26×19

引揚げ船上での出産証明書

満州から命からがら逃げのび、ようやく引揚げ船に乗り込むことができた人たち。

ところが、栄養失調や病気がはやり、船の中で亡くなった人も少なくありませんでした。ご遺体は水葬に付し、汽笛をポ~っと鳴らしてお別れをしてきたといいます。

祖国を前に、その土を踏めなかった人たちも大勢いたのでした。

 

一方で、引揚げ船のなかには身重の女性たちもいました。そして、船のなかで赤ちゃんを産んだのです。

ここで紹介するのは、昭和21年5月24日18時、LSTQ040において北緯33度15分東経129度35分の地点(*現長崎県平戸島の沖合)を航行中に新たな命が生まれたことを証明したもの。乗客総指揮官のほか、代表者、乗客2名が立ち会ったことが記されています。

ここで生まれた赤ちゃんやお母さんはその後どうなったのでしょうか。

無事に生きていかれたことを願わずにはいられません。