· 

寄贈品 №42

満鉄ホテル案内

発行:1936(昭和11)年頃か  発行:鉄道総局旅館課*

サイズ 閉じた状態 22.8×10 広げた状態44×30  

満鉄経営ホテルを紹介するパンフレット

 

1906(明治39)年創業の南満州鉄道株式会社(通称:満鉄)は鉄道輸送に限らず、港湾業や都市建設、炭鉱や製鉄所の経営など幅広い事業を手がけていました。

 

そのひとつに観光業があります。満鉄直営のヤマトホテルは、もともと欧米からの旅行客を見込んで開設したものでした。本社のあった大連を皮切りに、旅順・新京(長春)・星ヶ浦(大連郊外)・奉天(現瀋陽)で営業を開始、のちにはハルピン、牡丹江などへも拡大していきました。このパンフレットでは「満鉄ホテルチェーンは創業以来30年…現代日満ホテルの最高峰、低廉な料金は絶対に他の追随を許さない」と宣言しており、これまでに建てられた13のヤマトホテルについて、写真と文章で紹介しています。

たとえば、新京ヤマトホテルは部屋数55、室料3円以上。アカシヤの緑に囲まれた静かな環境、大宴会場・グリルルーム・酒場・撞球室(ビリヤード室)等完備とうたっています。それぞれの地域の風景や名所を描いたイラスト地図も掲載。

 

これらホテルのうち一部は、現在も中国で賓館として使われています。

 


  *満鉄は1936(昭和11)年会社所有路線担当の鉄道部・国有鉄道担当の鉄路総局・北鮮(北部朝鮮)鉄道担当の北鮮鉄道管理局・鉄道港湾建設担当の建設部を統合し、鉄道総局を奉天に設置した。これにより満州の全鉄道が満鉄のもとに一元化されることになった。