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10周年記念短歌募集 企画展示

ボランティアグループ「ピースLabo.」との開館10周年記念共催企画として、短歌作品を募集したところ、北海道から九州まで、年代は小学生から90代まで、179名の方々より386首の応募がありました。

これら全作品を記念館へ展示しました。

会期中、来館者の皆さまには心に残った作品にシールを貼る方法で投票していただき、展示終了後に「オープン賞」を決定するほか、「館長賞」「ピースLabo.賞」を発表いたします。

 

「5・7・5・7・7で綴る満蒙開拓の歴史」展示

展示期間 2022年10月13日(木)~11月20日(日)

 

こちらのページでも短歌をご紹介します。

 

一旗を挙げようとして大陸に渡った民は責められずとも

農民のつらい暮らしにつけこんで開拓決めた国許すまじ

(天野 旅人 60代 愛知県名古屋市)

 

家族らの 笑顔をなくす 残酷(ざんこく)体験をした ソ連侵攻

(新井 叶利奈 小学生)

 

未来へと平和のリレーを繋げたい歴史の重みと笑顔を添えて

忘れない歴史を重ねた十周年平和への虹の架け橋となれ

(石井 麻美 40代 塩尻市)

 

夢抱き 祖国離れし 先人を 責むる資格を 持つ者ありや

日の沈む 果てなき大地 眺めつつ 高粱酒呷る わが大伯父は

いと厳し 家族に逢えた 逢えないと 残留孤児の 別る明暗

(石田 賢吾 50代 愛知県蒲郡市)

 

平和への願いをこめて今祈る争(あらそ)いやめて仲良くしよう

コロナ消え戦争なくすこの世こそ我等が進む正しき未来

(礒﨑奈津美 30代 滋賀県彦根市)

 

高粱の 粥をすすりて 観る月に 遥かに遠い 祖国への道

満蒙の 沃野に昇る 赤い月 想いは遥か 虚空を走る

(市川 勝彦 60代 阿智村)

 

満蒙の 指の曲がりし 開拓者 過酷な農地と 想いを馳せる

満蒙の 老える語り部 散りし命(ぬち) 無情の戦 散るる泪よ

家族にも 語れなかった 開拓の 受けし与えし 戦(いくさ)いらない

(市川 佐代子 70代 阿智村)

 

国のため 寂しさ押して 乗船す 夢は潰えて(ついえて)満州に果つ(はつ)

今の世の 歴史学びて 忘れない 過去に紛れた 涙と血と土

過去を知り 消せない歴史 今にあり 観光だけの 旅にあらずも

(市場さと枝70代 大阪府吹田市)

 

孤児達と 手紙やりとり 5年以上 見捨てぬ慈悲は 紙面に継がれ

寒地にて 凍える女性 与えるは 鉛に子種 無情が過ぎて

(伊藤大佑 30代 愛知県稲沢市)

 

軋みゆく人間社会の鎮静の調律の音叉たる一首を追いし

東欧の事変を伝うTVなど「ナイン」のことまで「侍」と呼び

満州より帰りし師のもとに学びしも 東欧の地に赤紙は舞い

(井上武明50代 辰野町)

 

遙かなる理想の國の空しけれこの地奉げむ鎮魂の祈り

咲き満つる桃花癒せよかの悲劇語り伝へよ満蒙開拓

満州といふ國在りき蜃気楼王道楽土も夢のまた夢

(岩田 勇70代 愛知県名古屋市)

 

阿智村に 満蒙の熱風 吹きとどく ポプラ葉(ば)そよぎ いにしえ思う      

(植木洋一60代 栃木県大田原市)

 

ラザニアと ルバーブジャムを 吾に供す 叔母孤児ならず 異国に行きし

じゃじゃ麺と ジャージャー麺は 違うのと 母に継がれし 祖母の味

耳たぶを 書き足されてる 祖父遺影 何を見たかは 凍土に秘めし

(内田 真澄40代 安曇野市)

 

海隔て たとえ遠くに 離れても 心は大和 今に伝えり

(瓜生田 秀徳20代 大分県大分市)

 

何求め何より逃る高粱畑にひと息密かに自問

大陸の空と島国の上空比べをる青年義勇兵

なぜ祖国かくも遠しや満蒙の嗟嘆流れて海に墜ち消ゆ

(遠藤玲奈30代 東京都文京区)

 

人けない義勇軍資料館に少年の父がポツンと佇む

義勇軍資料館に姉と来てふたりだけの七回忌とす

毛筆に「御霊を鎮め」と書きし父家訓は義勇軍の号令と知る 

(大熊佳世子60代 茨城県鹿嶋市)

 

古里の 霞偲ばゆ 曇無き 廣野にけふも  耕耘機出づ

足乳根の 母に誓ひし 皆の手で 邑を作りて 君を迎へむ

限り無き 夢の半ばに おろしやの 土となるとも 繼げや明日の兒

(岡崎亜佐子50代 茨城県小美玉市)

 

満蒙で 栄えたる夢 握りしめ 戦火前線 息絶えし子ら

開拓の 御旗の下に 渡りゐぬ 唇噛む夜の 幾多ありしや

残留の 子らの生命(いのち)は 繋がりて 養親想う 故郷二つ

(小木曽早苗50代 愛知県名古屋市)

 

内地へと南を目指せし群れの中弟0歳母の背に死す                               

彼の岸にスマホのあらば弟妹に尋ねてみたし満州の今 

われ残留()孤児()とならで内地の土踏めり十五歳(じゅうご)の君の背(せな)に縋りて

(荻原忠敬80代 山梨県笛吹市)

 

逃避行 自決をしていく 開拓団 日本の敗戦 知る由もなく

(奥田瑛心 中学生)

 

満蒙の 語り部ひとり またひとり 去りて戦後は また遠くなる

満蒙への 侵攻の過去 甦る ひまわりの咲く 戦地思えば

満蒙の 歴史を学び 語り合う 平和の尊さ 平和とはなにか

(小田中準一70代 千葉県市川市)

 

大地荒れ我拓けども拓けども麦は実らず土は凍れり

幼き子連れて戦禍を逃れても我が子を託す母の悲しみ

国策に翻弄されて満洲へ貧しさゆえに他に道なく

(加藤雄三50代 神奈川県海老名市)

 

夢に見た祖国は遠し故郷よ帰れなくとも真面目に生きる

ベンチャーの夢追い渡る若人よ茨の道に足跡光る

百年の孤独に耐えしわが祖父の仲間が囲む思い出の日々

(貴田雄介30代 熊本県熊本市)

 

語り部の 言葉に耳を 澄ましたら 確かにあった 平和への種

暖かい 木の香(か)と光 降り注ぐ この館(やかた)から 未来を拓(ひら)く

草刈りや 展示ガイドに 送迎も 共に歩むは ピースLabo.(ラボ)

(木村佳稔50代 松川町)

 

語り部の 残留婦人の 通訳す 残留孤児の 娘の涙

十二歳 思い起こす 語り部に 耳傾ける 小さき背中

浅間山 麓に響く 鐘の音()に 開拓の真(まこと 捧ぐ大地に

(木村多喜子50代 松川町)

 

秋という字に映りたる開拓者の爪の色

(桐山榮壽60代 東京都杉並区)

 

開拓の話に聞き入る孫婿に訥々語る父九十九才

(熊谷里子60代 飯田市)

 

草刈りと 落ち葉集めの ボランティア 野外は楽し 頭脳使わず

阿智川の せせらぎ涼し 坂降りて 平らになると 記念館在り

悲惨なる 想像絶す 逃避行 世に知られるは ほんの一例

(小島芳人60代 飯田市)

 

逃避行の果て砲台山に逝きし児は「方正日本人公墓」に眠る

敗戦時日本の孤児を養育の「母父(おもちち)」が眠る墓に合掌す

吾が子抱へウクライナ脱出のデラシネに遠き日の満洲孤児重なりぬ

(小林 勝人80代 飯田市)

 

海を越え開拓したる先人の血と汗の跡忘れてならぬ

大陸の大地に挑み倒れたる先人の跡忘れちゃならぬ

見捨てられ大地に散った先人の歴史を刻む心の中に

(小林憲明30代 広島県福山市)

"

阿智の地の満蒙開拓記念館小さな館に記録溢るる"

残留の孤児の世話した山本さん阿智の人とぞ訪れて知る

しっかりと被害加害の両面を見据えた展示に黙礼ささぐ

(三枝佳子60代 静岡県掛川市)

 

希望ある明るい未来開く為過去の言葉伝えていくよ

(佐藤智章40代 埼玉県入間市)

 

収容所 人がバタバタ 倒れてく 私だったら 止まらぬ涙

(嶋岡雅美 小学生)

 

強かにこころを穿(うが)つ故郷(ふるさと)の景色を抱いて逃げる悲しさ

帰り来て夢に侵され削ぐ人の生命のことば聞いてうつむく

「我々」というとき浮かぶ分断の前にいる吾(あ)にかかる「ふるさと」

(須山 造30代 高森町)

 

引揚船 波止場に着けども 家族来ず 孤児ら今こそ 幸せであれかし 

(關義定50代 愛媛県西条市)

 

日並べの侵攻ニュースに思うにぞ香月泰男のぬばたまの黒

ヒヨスの葉の反りより落つる平和とう雫が再び大地へと沁む

頁めくるたびに重さを増す本よ「沈まぬ夕陽」多鶴の生涯

(瀬戸内 光60代 山口県光市)

 

引き揚げ船 待ちて座りし葫蘆(ころ)島の 砂の暑かりき十五歳の秋

引き揚げ船 降りて泣きたる 佐世保港 いつか訪れたく思いつつ老ゆ

満州から一人ぼっちで引揚し我を「どぶろく」で迎えた父よ

(相馬留治代90代 北海道札幌市)

 

国策と 草木もなびく 北の国 地獄と化した 幻の国

いざ行かん 一旗揚げろ 満蒙で 儚き国の つかの間の夢

満州へ 行けば天国 夢の国 夢と消え去り 豊かな暮らし

(高田 光浩70代 飯田市)

 

満州の河を渡りて流されし姪を偲(しの)びて語れる嫗(おうな)

姉家族は皆満州にて命落とし一人みちのくに帰れる嫗(おうな)

ソビエトの侵攻ありて幼きながら逃げゆきけるを語れる嫗(おうな)

(高橋良30代 山形県山形市)

 

代を越え 満蒙の記憶 語りゆく 伊那の谷びとに 明日への窓みる

(高柳俊男60代 東京都板橋区)

戦争や 差別を受けた 開拓団 今につなげよう 平和への道

(田嶋那奈嘉 中学生)

 

畑仕事(はたしごと)したる手をした転校生 机並べて日本語を学ぶ

話すたびあの日のことを思い出し 流されゆく子の声が聞こえり

伝えゆく遺族の思いに向き合えぬ 正義語りし文字の力か

(田中真美40代 阿智村)

 

「死にたくない 日本へ帰る」 大叔母と 同じ思いした 人々を思う

伝え聞く 家族の記憶 残したい なかったことに してはならない

(田中ゆかり50代 福岡県福岡市)

 

冴ゆ眩し信濃富士映ゆ柏手や孤児の遺志衝く母の臍の緒

冴ゆ流浪孤児の死相に憂いゆび養父の眼命と辿る

冴ゆ駅で孤児と友誼や醸し果て孤独を馳せて孤高へ誼み

(田上智佳士30代 熊本県熊本市)

 

丸刈りで男になって釜山まで逃げてきました大叔母さんは

牡丹江赤い夕陽の満州に鉄道技師で務めし大叔父

満鉄の技師が誇りの大叔父の語る波乱万丈満州国史

(千島宏明70代 群馬県藤岡市)

赤い夕日に照らされて 馬賊を倒し我が祖父の 夢の跡かな満州国

(千葉文智30代 岩手県一関市)

 

満蒙を 語る言霊(ことだま) いく筋も 飛行機雲は 平和にとどけ

若者の 語りに耳を かたむけて 阿智の山々 希望の緑

花一本 たむけられない あの朝に 心を寄せて 語る青春

(土屋光子60代 神奈川県横浜市)

 

逃避行 一人一人と 消えていく その時気づく 里の幸せ 

(冨田琉星 中学生)

 

満蒙の夢のかけらを集め来て今こそ叫べ世界平和と

養父母と血を選べとぞ言ふまじき東アジアが故郷なれば

開拓の過去を語り部語るいま未来思ひて聞くもまたいま

(伴野 崇生40代 東京都新宿区)

 

国策に 翻弄されし 若き日を 重い口調で 語る亡き母

侵略を 開拓の美句に 置き換えて 送り出されし 若者あわれ

墓誌で知る チチハルの地に 眠る子は 数え五歳の「康子」姉なり

(永縄榮博70代 岐阜県岐阜市)

 

国やぶれ 満蒙の地を 逃げ惑う みずが欲しいと 幼子は言う

水ほしい 末期のことば 残し逝く 数え五歳の 満州の夏

戦争で いつも泣くのは 弱者なり 満州の地でも ウクライナでも

(永縄 光子70代 岐阜県岐阜市)

 

盆過ぎて 涼しき風が 髪を撫で 秋が近づく 別れの季節

価値観の 違い生みだす 二人には 赤き紅葉(こうよう) 別れ道に立つ

(花本勇也40代 岡山県岡山市)

 

正しさの 証明のため 行()く人の 命はどこへ 逝()くのだろうか

間違えて 間違えてまた 間違えて 求める平和は 間違いの先

開拓とは 希望で出来た ツルハシで 未知なる明日(あす)を 切り開くもの

(樋口聖都20代 奈良県生駒市)

 

残るにも 戻るにも また別れあり 涙の川に かかる橋なし

夢抱き 希望の地へと 踏み出さん あの日の思い 空だけが知る

それぞれの 思いを胸に 旅立った あの日の空に 雲一つなく

(古畑 雄司60代 東京都国立市)

 

満州に聳ゆる山へ故郷の富士を重ねて朝な朝な(あさなさな)拝

満蒙に王道楽土を求め来て切り棄てられし十八の夏

また一人また一人拓友逝きぬ帰還(ダモイ)遥かな冷たき凍土

(別役昌子50代 滋賀県大津市)

 

開拓のたった一度の人生よ思いを深め館を背にする

入植の土地は農家の畑だった語りし叔母は言葉に詰まる

満蒙の史実の土地に来て見れば赤い夕陽が大地に沈む

(星野 直人70代 小諸市)

 

満蒙の歴史が刻む時の音学べ歴史に残せ未来へ

苦労の果て辿り着けしは開拓団満蒙の地を宝へ変えて

満蒙の名さえ知らない世代出る繋がり生まれる令和の平和

(細江隆一50代 岐阜県加茂郡)

 

目に見えぬ 国境跨いで 渡りゆく 振り向かずただ 故郷を想う

白黒の 写真の中で 前を向く あなたが日本に 平和を届けた

(堀 将大30代 岡山県倉敷市)

 

祖父祖母の戸籍に残る満州国迫る戦車の恐怖を想う

(前岡 里奈 中学生)

 

吾らとは異なる青春送り来し先人達のいたつきを思ふ

をみならもいかにか苦し青春を過ごし生きしか満蒙の日々

日の本の平和を願う八月に外国(とつくに)戦火の焔(ほむら)上がるる

(牧田 碧30代 東京都杉並区)

 

中国の 残留孤児 探し出す 手紙にあふれる 孤児たちの思い

仲間割れ 勧めた人も 騙された 騙す人のせいで 戦争が起こる

(牧田 10代 飯田市)

 

満州の夢を見たのか父呻く 母に起こされ安堵の顔に

(町田 友信60代 東京都江戸川区)

 

赤とんぼ指に止まって偏見が解けた誤解に気付く満蒙

大陸に憧れ渡り生まれたる母の話に悲憤する俺

祖父の夢大陸までも暑くして理想郷から追われる悲憤よ

(松永誠50代 埼玉県さいたま市)

 

大日向 行くか留まるか どうするか 歴史の端の 市民の苦悩

(間部 賢杜10代 大阪府大阪市)

 

満州に 弟残し来た人の さめざめと泣く 思い届かず

塩鮭の木箱に入れし妹の亡骸凍土に埋められもせず

(三沢亜紀50代 飯田市)

 

満州を 逃避行して 生き延びた 父が拓けし 大地に生きる

夢破れ 命からがら 舞鶴へ 母国の土に ひれ伏し涙

満蒙の 悲惨さ多く 語れども 侵攻された 民を忘るな

(宮島善英60代 松川町)

 

満州で 祖母の愛した 百日草(ひゃくにちそう) 今日花束にして 慰霊碑に捧ぐ 

満州に 幼子(おさな)二人を 葬った 責め苦の心語りてやまぬ (高山さんを詠む)

軍隊は 民を守らぬと 力こめ 引揚げし媼(おうな)は 若きらに説く

(向山敦子70代 飯田市)

 

ドラマ見て 衝撃受けた 大地の子 あまりにリアルで 言葉を失くす

今は亡き 習字の恩師 満州で 吾子失くしたと ぽつり呟く

あの戦争(とき)の 体験気になり 聞きたくも 聞く勇気なし 今も後悔

(森田有里50代 広島県三原市)

 

満洲に 散った命を 偲ぶ瞳(め)は 夕日の里の 影にまみれり

(山崎 哲30代 東京都小平市)

 

10歳(さい)の  帰った子供の 悲しみを 想像しよう 忘れないため

冬の日の シベリア寒し 指取れる 極寒の中 強制労働

恨み買い 現地の人に 殺された 身内のことを 伝えゆくこと

(松村 理伯 小学生)

 

満洲に妻持ち子を持ち土地を持ち 幸せ語る叔父の目遠し

故郷の谷に帰りし叔父と叔母 おさな児つれて岩手に向かう

いつだってどんな戦争だって駄目 兄姉恋いぬふるさと恋いぬ

(田中純子70代 飯田市)

 

極寒と飢餓のさ中に子を亡くし 涙涸れはてわれに語りぬ

(後藤信義80代 飯田市)

 

六才で母の実家に帰り来て 輝く飯をたくあんで食む

腹が出て目はギョロギョロと痩せこけて 命短かし子と思われし

八十才迎えて思ふありがたさ 母に抱かれて本土踏みし日

(藤森のり80代 下諏訪町)

 

父母は4人の子供引き連れて 明日おもしれぬ命はぐくむ

(三沢 70代 長野市)

 

語り部を聞く見るにつけ満蒙の 極難耐えた開拓の日々

国策に添ふて満蒙開拓に 果ては自決か逃避の大地

満蒙の開拓史実直視して 平和の希求守り継けむ

(村山光春  飯田市)

 

戦争を忘れ平和の喧し 戦後七十七年の夏

満州の寒夜を牛の温もりに 縋りし孤児の一人が還る

「大地の子」戦争に哭きし人びとが 平和の渇きをとくと揺さぶる

(小林恒夫70代 駒ケ根市)

 

満蒙を知らない代の自分でも なぜか気になる風の向く先

満蒙で静かに眠る父母が 風に問うのは子孫の様子

若人が夢を託した満蒙に 再び降るな砲弾の雨

(林修亨70代 喬木村)

 

義勇兵となりし少年待ちてゐし 満州生活理想に遠し

引き揚げを諦め自死を覚悟して吾子手にかけし心を想ふ

引き揚げて夫をなくしし伯母上は 三人子立派に育て上げたり

(米山恵美子年代未詳代 松川町)

 

政策に乗せられ満蒙開拓に 渡りて犠牲となりし人々

妹の手を離さずに逃げしとふ 幼き姉妹のいたいけなるも

戦争の残したるものは何なのか 答えを胸に行く先を見る

(木内かず子  住所未詳)

 

祖国へとただ一すじにこがれいて 涙の中にかすむ山川

ながらえて やしきの後にたたずめば 大祖父のかたみの柿は鈴なり

かみしめてなおかみしめて郷里の 柿のかおりを主人と味わう

(足立ます  飯山市)

 

しみじみと青いたたみのなつかしき ふとんもしかず横になるかな

(足立英子70代 飯山市)

 

だまされた俺も行くから君も行け 思い出すのはふるさとの山

ああしたいこうもしたいと思い出す 満蒙の夢建国の夢

もしも今満州国があったなら たずねてみたい旅人として

(西村重治70代 高森町)

 

逃避行母は弱りて置き去りに 離れし家族も撃ち殺されて

(鈴木ミナ90代 阿智村)

 

方正の日本人墓地石撫でる 逃避行の末たどり着いた地

青春を赤い夕日に捧げた日 人生狂った満州移民

両親が逃げ惑った満州の 何と広くて遠い日本か

(宮坂美代子70代 東御市)

 

戦争は人をだめにするかくへいき

(遠藤真理子40代 静岡県静岡市)

 

国策と言へど満蒙哀れなり 涙をさそう語り部の声

忘却の満州の空寒寒し 男装の顔夜道さまよう

満蒙の遺影は語る逃避行 朝しらじらと命ながらう

(伊東宣和80代 飯山市)

 

五つ色の旗にこめられし協和なれど 大き黄色が四色を抑さゆ

来館の子らの心に強く残る 平和の大切さ人の温かさ

国策で大陸に渡るも国策で棄てられし数百万のあの人この人

(北河豊治70代 兵庫県神戸市)

 

なぜないの三つの妹逃避行 戦没名簿にその名無きこと

負け戦そちらでどうぞと言われても ぬすっとなりわいするしかないずら

寒風の上りがまちで寝起きどき 逝く妹の名低く呼ぶ母の声

(河野宜耀80代 高森町)

 

国策に夢を抱きし満蒙の地 無残に散りにし開拓の民

国策に翻弄されし開拓の民 終戦後も見捨てられ

第二の祖国打ち勝てん打ち振る腕 実りとともに露と消え

(中田憲吾40代 大阪府堺市)

 

開拓を憐れと評す現代は 腐った平和故人嘆惋す

ユーラシア時代を拓くフロンティア 戦禍あれども泣くより誇れ

平伏し付加する事が「平和」なら 開拓団の涙痕虚し

(大渕航30代 新潟県小千谷市)

 

乳足りず生きられなかった弟の 最期の姿母のまぶたに

我さきに民を見捨てて走る馬車 日本軍とはいかなるものか

祖母語り母も語る引き揚げを 次世代に継ぐわたしの声で

(東岡ゆたか60代 愛知県高浜市)

 

今を知り歴史を学ぶ記念館 世界が広がり想いをつなげる

(片桐陽己20代 京都府京都市)

 

戦火ありふきっさらしの北方に 畑たがやす人々は壁

摂氏マイナス三〇度生活のためとお国がためが重なる

罪だとは思いませんでした すでに泥で汚れた手で殺したの

(湯本歩20代 松川町)

 

戦争は悲しみをうむもう二度と 繰り返さない笑顔のために

(西山佑一 高校生)

 

夢を持ち希望を新たに満州へ 故郷思い涙溢れる

(平林純 高校生)

夢を見て楽土に渡った若人は 命の重みはかなさを知る

(外山道悠20代 松川町)

 

思い馳せ満蒙開拓がんばろう しかし現実国の思う壺

(岩崎東翔 高校生)

 

満蒙で歴史を知って過去を知り 悲惨な思い未来へ繋ぐ

(吉川翔太 高校生)

 

国のため行くぞ満州やる気みち 行った先にはこの世の地獄

(前澤蒼楽 高校生)

 

逃避行辛い思いをし続けて 平和を求め歩き続ける

自分の手で大切な人殺めては また辛い思い増えていった

(小田切彩風 高校生)

 

戦争はする必要があったのか 歴史について考えようね

(藤岡くるみ 高校生)

 

悲しみは繰り返される本当だね この歴史から何を学ぶの

友だちも家族も消えた怖すぎる いつになったらおわりになるの

(木下  愛 高校生)

 

戦争は悲惨できごとかなしいな 歴史から学び未来へつなげる

(三石寧央 高校生)

 

満州へ希望を胸に旅立ったほんとにそれは素敵なことか?

つらいのよ満蒙開拓生きるため 家族や国を助けるために

(西山静佳 高校生)

 

未来へと過去の歴史を伝えてく 二度と同じことを繰り返さぬように

(斉藤朱音 高校生)

 

叔父夫婦の入植の地を記念館に辿れば苦渋の最北端の村

逃亡中満州に果てし長男の 髪の毛の埋まる「童子」の墓石

(唐澤やす子80代 高森町)

 

手を引かれ大河を渡る幼子の 母思う日の夏の一日

(尾上明子50代 奈良県奈良市)

 

満州で何を得たかと聞かれたら 多くの苦しみ多くのむだ死に

このれきしくりかえしてはならないよ あとはぼくらにまかせておくれ

このれきし自分のことも考える 未来につなげる平和のために

(堀内由加里10代 箕輪町)

 

片言の日本語悲し「孤児」たちを 「引揚者」とか「帰国者」と呼ぶ

自決した同胞の声高社郷 東山にて碑文をなぞる

満州と信州つなぐ記念館 平和を学び集い広げる

(篠田冨雄60代 中野市)

 

信ずるは美しくあり悲しみも背負いて生きぬ満蒙開拓

満州の大地に開拓の夢を持つ 人らに無情の戦の鞭よ

戦争の記憶の残らぬ我なれど この館にて平和を噛み締む

(木下懿都子70代 飯田市)

 

抗えぬ時代の渦に巻き込まれ ただ働きて国を追われる

次男坊生まれて来しは何の為 生きたあかしを今ここで知る

君が為希望の国と聞かされて 遠路はるばる満州の旅

(宮澤多恵子60代 宮田村)

 

ランプ下の七歳が住む藁小屋に 息つめ聞きぬ匪賊の襲来

渡満をば止めんと夜道駆けし父 帰還の師とは会う度笑いて

七歳とその姉のみの帰国には 苛酷のあまり今も忍びず

(関忠安80代 阿南町)

 

戦とは生きるも死ぬも紙一重 守る命を守れぬ非情

収容所でお産をした子の名は満子 お腹に居たから殺さずにすんだ

集団の自決せかされし少年は 翁となりて今は語り部

(高島孝子80代 飯田市)

 

亡きおばの満州よりの逃避行 今も語りて遺稿文

亡きおじの満州よりの語り部の 今も受けつぐ我れも語りべ

亡き祖母の満州よりのこと話しきき 悲しみ今も我れかたりつつ

(岩本正美  大鹿村)

 

義勇軍大陸の母を学ぶ時「保姆」という字を初めて見る吾

人は皆「戦争は否だ」叫ぶけど この世界から消えた時なし

分村の泰阜村へIターン ピースラボの仲間と出会う

(成澤武彦 70代 泰阜村)

 

東京より伯父を頼りて出雲へと二歳のわれの強制疎開

石炭と油の臭ふ暗闇を強制疎開の汽車は這ひゆく

空襲を恐れ灯りを消す汽車の旅われ泣くことを許されずをり

(乾百樹  高森町)

 

証言は見えぬ戦も見えてくる 平和な未来つくりたい

(天野裕奈40代 愛知県清須市)

 

夫(つま)亡くし必死に育てし愛娘 これが別れと送り出す母

満州で見し聞きし事胸に秘め 看護の道を志す母

亡き母の優しき笑顔偲ばれる 命日近き秋の夕暮れ

(岡田紀子70代 飯田市)

 

永年の思い果たしてひと昔 平和の館今魂(たま)の届く

恩ありし養母(はは)の来日しらぬまま 残留孤児の再見いつや

(匿名希望)

 

男性は根刮ぎ動員拓地には 婦女子残され命絶ちたる

孫に言う墓誌に刻まる五人の名前(な) 「戦争のため逝きし人だよ」

哀れなり開拓団には終戦の知らせ届かず命絶ちたる

(筒井恵子70代 豊丘村)

 

満蒙の開拓の歴史語り継ぐ 阿智の谷間に歴史館あり

ポプラの木ほとほとほとと葉を揺らし来館者らを今日も迎える

満蒙の地に見捨てられ果てし人忘れじと建つ阿智記念館

(西岡秀子70代 京都府長岡京市)

 

微力だが無力ではないを信条に詠ひ続けむ〈戦争は悪〉

カラフルな軍手よろこぶ園児らよ軍用手袋嵌めることなかれ

(木下瑜美子80代 飯田市)

 

おくやみ欄あああの人も逝ってしまった 出番が増えた黒のスカート

記念館第二の故郷と訪(と)ふ人を今日も迎える「おかえりなさい」

語り部のあなたがくれたその想い次は私が未来の君へ

(島崎友美  泰阜村)

 

友二人の遺骨を背負満州より帰りし従兄弟九十六で逝きぬ

満州はどこかと平成の子供等は 地図を広げて捜すも分からず

満蒙の記念館のパンフに写りゐる朱美ちゃ病みて十年となる

(竹内和子90代 飯田市)

 

その地には耕やし生きる村人居たと 行きて初めて知る当惑

満州に少年一人行きて立ち 開墾せんと地に汗流す

ただ一人 耐えぬき暮した彼の地には 友との思い出ありしかと

(葛西幸子70代 東京都羽村市)

 

満蒙を新し里と心決め開拓したるや汗の跡かな

お互いを気遣い離散歴史あり語り継がれし満蒙の地を

(長坂福夫70代 愛知県知多郡)

 

目の前の揺らぐ平和を見つめつつ ついこの前の歴史を学ぶ

夢破れただの夢だと知った日の 虚しさしのぶ幾十万の

ここにきてまた繰り返すその人に 何を説くのか何を今さら

(松本俊彦50代 京都府京都市)

 

極寒の地夢を紡いだ傷跡は 欠けて小さい父の耳にある

満州に見た夢の花今度こそわと 和光に咲かせ七十有余年

ありがとういのちを育むこの大地 父母たちの汗が拓いた

(丸山美榮60代 岩手県胆沢郡)

 

蜀黍の畑で産気づきたるを救いて子をも育てくれたり

ナガノケンノイイダと告げて去りし父母 証拠の書きつけ曝れて読めねど

松花江のほとりにありて七十余年 孫玉玲さん雛深くして

(北原和子70代 飯田市)

 

終戦後築いて来れた今の意思 忘れもせずに生きていきたい

歴史より人の征く道霧晴れる 確かな智より輝く未来

古くから人は過ち繰り返す 歴史から描く未来への地図

(鈴木理斗20代 富山県富山市)

 

戦争は皆の暮らしをこわすもの 人を大事に豊かに暮らそう

人と人争いをせずお互いに 尊重しあい生きていきたい

いつまでも悲惨な出来事忘れずに 今日という日を生きていきたい

(吉井真央20代 愛知県知多市)

 

国策のスローガン信じ渡満せし 人等の失望ははかりくれなし

聞くだにも悲惨な帰国これの先 有ってはならぬ忘れてならぬ

(安藤千穂  松川町)

 

マリウポリに二百の遺体わが庭に 白詰草の花つめて咲く

幼き日甦りくる引き揚げて来し友なにもかも素早きを

戦争をくり返さないでいとし子を危めてしまった話疎まし

(有賀愛80代 松川町)

 

来し方の 史実を学ぶ 若人ら 語りて紡ぐ 平和のたすき

満州の 真っ赤な夕日に 想い馳せ  背負い続ける 加害の歴史

穏やかに 若人に語る 面(おも)の皺 平和託す 元義勇兵

(菅沼節子60代 飯田市)

 

外套の ポケットに三粒の豆 持ち帰りし人のあり この夏も作りし、満州ささげ

(伊藤和子80代下條村)

 

もしかして平和な今日はあの人が 生きたかった今日かもしれない

(松原愛美 中学生)

 

色あせる過去の出来事語り継ぎ 止める過ち彩やな未来

ふと思う 今日は誰の命日か 日々くり返す地球紛争

(熊谷穣 中学生)

 

何回もくり返される殺人を とめるどころか進める日本

日の丸をふっておくった日本(くに)の人 地獄へ行くと知っていながら

「えらい」人 死ぬ勇気など無いくせに 命令ひとつで命を捨てる

(熊谷尚子 中学生)

義勇軍農業移民満州へ 橋が壊され帰れぬ命

語られず向き合いにくい見えぬ傷 満蒙開拓加害の歴史

満州へ渡り帰れぬ残留孤児 肉親捜し国は動かず

(小野奏音 中学生)

 

戦争で得られるものはただ一つ 明日の平和を願う心

後世へ平和の今を繋ぐこと 平和を紡ぐ僕らの使命

歴史から過去から現在(いま)へのメッセージ 命の価値を履き違えるなと

(今井勇斗 中学生)

 

左手に白黒写真夏の日に 右肩にいた残像のキミ

割り当てで希望を胸に義勇軍 裏側にいる黒いカゲロウ

悲しみを忘れぬように過去学ぶ 記録に残るフラッシュバック

(遠山紅葉 中学生)

 

夢を抱き 満州国へ突き進み 二度とこのことやらないように

(田中壱智路 中学生)

 

戦争は光の橋を破壊する 過去から今へのメッセージ

(渡辺心々 中学生)

 

平和とはみんなの気持ちがそろう時 みんなの努力でかなうもの

(匿名 中学生)

 

「また明日」こどもがみんな言えるよう 戦争だけは絶対嫌だ

(神田紗菜 中学生)

 

戦争が奪う命をなくすため 未来へつなぐ満州の記憶

故郷(ふるさと)に帰れぬと知らず義勇軍 大きな夢持ち異国に渡る

(勝野葵 中学生)

 

戦争をしないで生きる今の人 できればこのままやりたくない

(逸見麻琴 中学生代)

 

夢抱き開拓団は満州へ 友を失うその物語

(井原優奈 中学生)

 

一つの銃たった一発の銃弾から 奪っていくのは平和な日々

(佐藤姫乃 中学生)

 

銃一つ奪える命一つ二つ 戦争だけは絶対いやだよ

(小笠原永久 中学生)

 

平和とは世界の人が望むこと 戦争だけは絶対やめよう

(小池媛梨 中学生)

 

国のため泥水すすり生きた英雄(ひと) 消させはさせぬ満州の足跡

(杉山創太 中学生)

 

戦争に負けも勝ちもありません 失う物は人間の心

(荒川蓮 中学生)

 

わたしには理解できない戦争だ ウクライナをロシアせめるな

(原伊吹 中学生)

 

僕たちは戦争しないで生きている この世界からはやくなくなれ

(井上海音 中学生)

 

うばわれてうばい返してくりかえし うらみと争い終わりは見えず

忘れたい苦しい記録受けついで 平和夢見て未来にたくす

(小村逢 中学生)

 

満蒙のまだ知られてない歴史たち それらを知って平和をいのる

(原壮佑 中学生)

 

ウクライナロシアがしんこうかわいそう けれど他にも戦いがある

(櫻井陽太 中学生)

 

国のためまんもういった開拓団 友を失った義勇軍

(川上優真 中学生)

 

夢抱き海を渡った開拓団 希望を抱き明日を拓く

(中島大地 中学生)

 

あの日見た夜に輝くあの原爆(ヒカリ) 今の平和が心にしみる

まだたりない笑顔の数が減っている だから私は戦争反対

(田中潤輝 中学生)

 

人が亡き血のしぶき飛ぶ黒歴史 されど語り継ぐ次の世代へ

罪もなく命狩られる黒き夜 忘れぬと決めた今日この夜

あの夜に泣いて死んだ人々の 血の涙降る時を超えても

(長沼紀宏 中学生)

 

毎日を生きて生きてをくりかえす そんな自分は幸せ者だな

(小倉健男 中学生)

 

友人と平和に生けるこの世界 やっぱりみんな平和が一番

(川上貴史 中学生)

 

戦争の恐ろしさ知る中学生 戦争無しの平和を願う

(斉藤優奈 中学生)

 

この悲劇 繰り返さんと決意して 未来へ伝え紡いでいこう

いくつもの命を奪う戦争に 「お国のため」と巻きこまないで

(玉井紗英 中学生)

 

戦争は誰もが傷つくその人の カラダとココロやめよう戦争

戦争を詳しく知ろう自分らで 平和を願う満蒙開拓

(伊吹玲音 中学生)

 

満州平和に暮らせるこの地には 守ってくれる軍がいるから

子はどこへ母さんどこへ家もない 逃げて逃げても居場所なし

(佐藤竜也 高校生)

 

平和への思い強まる記念館 戦争無くし平和祈ろう

(宮地舞衣 高校生)

 

被爆地で消えた魂しる人も 彷徨えどもゆく所なし

被爆とて折れぬ心のクスノキよ 人の心のもののふとして

(木村侑大 高校生)

 

自らの正義を信じ戦いを 未来を目指し今走り出す

(佐藤陽菜子 高校生)

 

退屈な平和な日々を繰り返す今日も世界は戦争中

(鈴木陽太 高校生)

 

小さき子目の前には大きな背 母の想いは届いただろうか

怖い音防空壕で手を握る 早く終われと強く祈る

日々想う強く握った私の手 我が子の姿

(伊藤楓 高校生)

 

曾祖父の遺影に手合わせ考える 戦争起きなきゃ談笑できたと

(櫻野優斗 高校生)

 

消しさった恋しいかれの笑顔や 切ない陰も忘れられない

(朝倉弥陸 高校生)

 

光さし閃光通るかの日々を 忘れてならぬ栄光の人

悲しいね心を奪う昼の時 どう祝うのか打ち上げる夜

放射能部活帰りの君の背の 透けた光まだ夢に見る

(石川天都 高校生)

 

夢見てた希望の大地それは明 待ち受けるのは暗の逃避

異国の地歴史の木々が時刻み 未来へ落とす継ぐ真の実

ここはどこ生も死もある境かな 劣悪の中横たわる

(栗田和明 高校生)

 

我が子供見送る母の心情は 心に穴が開いたかのよう

 

(佐野透 高校生)


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