「セミナー棟」竣工の報告とお礼

皆さまからご支援いただいたセミナー棟が2019年9月末に完成し、

10月19日(土)に竣工式、記念イベントを行いました。

セミナー棟竣工のお礼とご報告

 この度、建設を進めておりました満蒙開拓平和記念館の「セミナー棟」が竣工いたしました。このことをご報告申し上げますと共に、この建設に当りご支援、ご協力、ご尽力頂きました全ての皆様方に対し衷心より厚く御礼を申し上げます。誠にありがとうございました。

 「満蒙開拓」の史実を語り継ぐことを通じて平和を発信することを目的として2013年(平成25年)4月に開館された当記念館も、開館より早くも6年余を過ぎ、その間には天皇皇后両陛下のご来館等を始め全国各地、国内外よりの多くの皆様にご来館頂き、その数は17万人以上に達しています。しかしながら、この満蒙開拓の史実をより多くの皆様方に知って頂く場所として充実させていくためにはまだまだ足りない部分も多く、特に施設的に団体受け入れ等に際して手狭であるということは開館当初からの課題でもありました。また、若い皆さんにも満蒙開拓の史実を知って頂き、学校関係等の平和学習の場としても充実させていくためにはどうしても必要なこととして、開館6年目の昨年春より「セミナー棟」増設事業に取り組み始めました。心配された建設資金についても、開館以来、節約を重ねつつ蓄えてきた自己資金に加え、民間、行政等含む多くの皆様方よりの尊いご寄付を頂く中で何とかクリアすることが出来ました。そして、本館と同じく新井優一級建築士の設計、吉川建設株式会社の施工により、本館との一体感ある、そして見応えのある立派な「セミナー棟」の竣工を迎えることが出来ました。

 

竣工式にて 館長挨拶

出来上がった「セミナー棟」は床面積297.45㎡(89.97坪)、120人収容可能なセミナールームを中核に、映像上映室(約40人可能)、ミニギャラリーホール、トイレ等が備えられています。これからは会場の移動や学習用施設の狭さ等を気にすることなく団体受け入れ等を充実することが可能となりました。10月よりセミナー棟の利用を開始し、早速、大阪方面からの修学旅行に利用して頂くことが出来ました。

 しかしながら、6年前の記念館開館の時も同じ思いでしたが、こうした施設の完成自体が「ゴール」ではありません。大切なことはこの施設から何を目的として、何を発信していくかと言うことにあります。その目的実現に向けて、正しくこれからがまた新たな「スタート」となります。

引き続き、多くの皆様と共に取り組む中で、長野県の伊那谷から世界に向けて平和を発信する「小さくともキラリと光る記念館」を目指して、記念館の維持運営に励んでまいりたいものと思います。これからも尚一層の当記念館へのご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げ、「セミナー棟」竣工の報告、そして御礼とさせて頂きたいと思います。

 

令和元年11月吉日

満蒙開拓平和記念館 館長 寺沢 秀文

セミナールームで学ぶ子どもたちとボランティアスタッフ

竣工記念イベントを開催(10/19)

対話から学ぶ歴史と未来「日本とドイツの引揚者・帰国者の戦後」

セミナー棟の設計意図

 

本館に引き続きセミナー棟の設計を手掛けた設計者 新井 優 氏

 (新井建築工房+設計同人NEXT)


 

『天に向かって林立する8対の地元の杉丸太で組みあげた架構に越屋根からの柔らかい光が差し込みます。左右の登り梁が出会う部分を合掌と言います。光の中でまさしく木の命の永遠に想いを託して手を合わせる。この“光の回廊”を象徴とする館は、平和を祈る木造打放しの聖堂として記憶に残る空間づくりを目指した。』

この本館のコンセプトをどの様に今回のセミナー棟につなげていくのかが、設計者に与えられた課題と受け止めました。基本的には本館と同じ『なるべく質素に、なるべく力強く』。特に120人規模の講座が行えるスパン11mのセミナー室は地元の無垢の杉材を特殊なトラス構造で、大工さんが手刻みで組み上げた骨組みをそのまま現しにする“構造即意匠”の空間づくりとしました。訪れた子どもたちにも力強さと柔らかさが伝わり、特に都会の子どもたちにはこのような木造空間は初体験となると思います。

満蒙開拓平和記念館は関係者の深い平和への想いが、6年前の開館から今日まで頑張って来られた原動力です。この“平和への想い”をどの様に形として表現して、来場者に伝えていくのかが設計意図です。

ただし建築は上質な額に徹して、本来の展示・関わる人・行われる学習・心を開いて平和を考える来場者を一番大切にしていくことは基本です。

 今回のセミナー棟増築により記念館の場所性としての総合力が更に高まることに期待しています。

 

セミナー棟建設概要

[ 施設名 ]   満蒙開拓平和記念館 セミナー棟

[ 建設地 ]   長野県下伊那郡阿智村駒場711-11

[ 事業主体 ]  一般社団法人満蒙開拓平和記念館

[ 敷地面積 ]  418.7㎡(126.66坪)*阿智村有地

[ 建物床面積 ] 297.45㎡(89.98坪)

[ 間取り ]   セミナールーム(120席)、映像ルーム(42席)、

          ロビー、倉庫、物置、トイレ、渡り廊下

[ 着工 ]    平成31年4月

[ 竣工 ]    令和元年 9月30日

[ 利用開始 ]  令和元年10月10日